勇者ロトは困っていた。
王様の話によると、この世には大魔王がいて人々を苦しめているそうだ。
町の周りには昔からモンスターが住んでいた。
確かに最近少し狂暴化しているようにも感じた。
その大魔王を倒す旅に出てくれというのだ。
なぜ、俺が。
確かに父のオルテガはずいぶん前に大魔王を探す旅に出ていた。
だからと言って、
なぜ、俺が。
いや、誰かがやらなければいけないことではある。というのは理解していた。
少し前なら、
誰かがやらなければならないのなら、俺がやる。
と、言えたのかもしれない。
しかし、
最近家族も増え、
少し変わってしまった。
1人のときよりも臆病になってしまった。
勇者ロトは困っていた。
例えば誰か一人の命と引き換えに世界が救えるとして、
僕は誰かが名乗り出るのを、待っているだけのおとこだ。
Mr.children[HERO]