とくでん書房

徒然なるままに日暮し

ラジオから

「現在売れに売れてまして、生産が追いついていません。すいませんが、限定販売となります。

 

車でラジオをたまに聞きます。

すると聞こえてくる通信販売系の声。これを私は斜めに聴いてしまいます。

※通信販売という言葉が正しいのか、はたまた古いのかは、ごめんなさいわかりません。

 

いや、分かってます。大半はちゃんとした商品なんだと。

 

でも、でもですよ。

 

上の言葉の後に

「本日2本ご注文の方には、1000円引きさらに、もう2本プレゼントします。」

 

いやいや、生産が追いついてないんでしょ。

プレゼントしたらヤバイんじゃないの。なんなら、そんなに売れているものを値引きする必要もないやん。

 

こういうくだらない嘘が、ますますうさんくさく感じさせます。

ラジオのように商品が見えず、言葉だけで判断する場合は特にそうなんでしょうか。

 

まぁ要するに

消費者をバカにするな〜。

と思います。

死にゆく妻との旅路

死にゆく妻との旅路

 

タイトルからすでに相当の重さを感じます。

アマゾンのプライムビデオでタイトルに惹かれ見てみました。

本当にあった話だそうです。とても切ない話です。

 

仕事もなく多額の借金を背負った50過ぎのおっさんが、全財産50万円と古いワゴンで、11歳年下の癌を患った奥さんと逃げるように旅をする物語です。奥さんはとにかくおっさんが好きで、途中癌が再発し、病院へ行くも、おっさんと離れたくないと結局また逃げるように旅に出ます。

 

映画の中では、このおっさん(奥さんから「おっさん」と呼ばれています。)、借金やいろんなものから逃げています。

でも

たぶん一番大事なものからは逃げてないんだと思います。

 

おれはたぶん逆だな。

 

結局 ワゴンの中で奥さんはなくなります。

おっさんは警察に捕まり、なぜ病院へ連れて行かなかったのか、警察から責められます。

そして、その容疑は

 

「保護責任者遺棄致死」

 

そして翌日の朝、ニュースでみた5歳児の虐待での死亡事件。

その容疑も

 

「保護責任者遺棄致死」

 

法の限界を感じます。

モノサシ

「テメエのモノサシで測んじゃねーよ」

 

ある映画で悪役が言ったセリフです。しかも死にかけの状態で^^;

よくあるセリフですが、モノサシ=価値観でしょうか。なかなか胸に刺さります。私も一生に一度は発してみたいです。

 

とても長いモノサシならイロイロ測れそうですが、年を取れば取るほどモノサシは短くなるような気がします。短いモノサシで測れるのはたかが知れています。なら、もう目盛りは無い方がいいですね。

 

これからは短いけど目盛りのないモノサシで測ってみようと思います。

 

 

測れませんでした。

アレルギー

かれこれ1年ほど前からよく蕁麻疹が出るようになりました。

決まって夜。

まあ日中は仕事してるので気がまぎれるのでしょうか。

 

ところで、蕁麻疹の70%ほどは原因不明だそうです。

私の場合も、出るのは夜ですが何か法則的なものがあるわけではありません。

夜出るっていう法則あるやん。というご指摘は心の中だけでお願いします。

原因が分かれば対処もできそうですが。

 

ということで、確率30%にかけてみようと思い、血液検査をしてみました。

皮膚科の先生もたぶんわからないよと、失笑してましたが。

そこの病院では血液検査には2種類の選択があって、1つは、調べてほしい項目を指定して(スギとか卵とか)1項目300円で調べる方法、もう1つは31品目だったか、すべての項目を調べて5,000円。

もちろん圧倒的コスパで全項目を検査しました。

 

結果は・・・

 

 

圧倒的アレルギー無し!

 

先生も苦笑いです。

逆に1項目も該当しない方が珍しいそうです。

 

ということで、私の蕁麻疹の原因は心的な要因が疑われます。

 

その点につきましては追って報告いたします。

(しません)

 

コンビニ

私はまぁ田舎に住んでるわけなんですが、極稀に都会に行ったりもします。

で、都会に行ってよく感じるんですが、コンビニは田舎の方がクオリティが高いと思います。

お客さんが多いからかもしれませんが、店が汚かったり、陳列が雑だったりします。

田舎はお客さんが少なくて時間があるので掃除ができたり、きれいに陳列したりしているからかもしれません。

 

でも、意地の悪い私はこう思うのです。

 

「田舎の方が競争が激しい」

 

都会ではコンビニの数がとても多いですが、人がそれ以上に多いので、少々クオリティ低くてもお客さんが来ます。

でも、田舎ではすっごい努力しないと、お客さんは来てくれません。

※いや、もちろん都会のコンビニも努力していると思いますが。

 

いや、なにが言いたいかというと、

 

 

 

田舎には人がいません。

 

世間

「お世話になります。」

 

不意に声をかけられた。

日曜の夕方、近所のスーパーで今夜のビールのつまみを選んでいた。

反射的に

「あっ、こちらこそお世話になります。」

 

顔を思い出せない。

 

ビールのつまみは諦めて、思い出せないことを悟られる前に「でわ」とその場を離れた。

 

 

顔を覚えるのが苦手だ。

 

学生の時の友人を見かけても思い出せない。だから声をかけられないように、文字通り逃げるようにその場を去る。営業先で2回目にお会いした方に名刺を渡そうとして怪訝そうな顔をされる。そんなことはしょっちゅうだった。

 

顔を覚えられない理由も、恐らくはわかっている。

恥ずかしがり屋な性格が災いして、相手の顔をしっかりと見ていないのだろう。

 

じゃあ、しっかり見れば。とはいかない。

 

いかないのだ。

 

ひと昔前なら初老と言われるこの年まで蓄積した性格は簡単には治らない。それにその情熱もなかった。

 

男は「もしかしたら知り合いかも」という世間から逃げるように、いそいそと暮らすしかなかった。

 

もうビールのつまみを探しにスーパーに行くのも怖くなっていた。

 

 

曇天

「出荷量は年々減少してますね。」

 

今日会社に来たメーカーの営業マンも昨日の営業マンと同じ言葉を繰り返していた。

彼の実家は瓦の施工を主とした零細企業だった。俗にいう斜陽産業である。つい先日も瓦メーカーが1社事業を停止したばかりだった。

 

近年、住宅の着工件数の減少に加え、瓦を使わない住宅が増え、瓦業界は落ち込んでいた。関係者はいろいろなイベントを実施したり、新しい瓦の開発に取り組んでいた。例えば、軽量化した瓦を開発したり、ご当地アイドルを使って瓦をPRしたりするものだ。しかし、効果を実感できることなく、今を迎えていた。

 

瓦職人たちはこぞって近くの造船会社へ転職した。

びっくりするほどの安い日当のうえ、雨で現場作業ができない日は休みで、その日当さえも手に入らない。そのうえ、危険で、きつい。

造船会社への転職は限りなく正解に近かった。

 

こんな状態だ、自然淘汰で瓦を施工する会社は当然減ってしかるべきだった。しかし、メーカーは再編や廃業と減少しているにもかかわらず、施工会社は以前と同じ数を保っていた。もちろん、メーカーではないので工場固定費等の支出がないことが理由の1つだろうが、最大の理由は各会社が超零細であることだろう。

つまり、従業員がほぼいない会社は利益が減少しても経営者の報酬を減らせば維持できるのである。それだけのことだ。

 

 営業マンは続けた。

「出荷量は減ってますが、わが社のシェアは年々増加しています。」

 

不毛だ。

と彼は思った。

 

この会話に業界の状況が透けて見えたような気もした。

 

ひとしきりしゃべり、満足げな顔をして営業マンは帰っていった。

 

不毛だ。

青とグレーを混ぜたような感情でその背中を見送った。

雪がちらついていた。